五島列島3:学はなくてもその場で学べる

五島列島
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一足先に仕事が休みになった夫が妻置いて旅行に行きました。
五島列島編、パート3です。

この日は本来、別の島へ渡る予定でした。しかし朝起きると風が強い。嫌な予感はしていましたが、案の定フェリーが欠航です。

離島旅では天気予報より「船が出るか」重要だとよく言われますが、その意味を身をもって理解しました。

というわけで予定変更。福江市内をのんびり観光することにします。

まず向かったのは五島観光歴史資料館。ここが予想以上に面白い。五島列島の歴史や文化を幅広く学べます。

五島観光歴史資料館
五島観光歴史資料館

1階のシアターでは、バラモン凧という伝統文化を物語仕立てで紹介してくれます。

正直、凧の説明を聞く前は「まあ地域の民芸品かな」くらいに思っていました。

見終わる頃には少し欲しくなっていました。その後の別の場所の旅でも結構似たような凧や屏風を見かけるんですよね。シアターでの紹介がなければ気づかなかったと思います。

バラモン凧
バラモン凧

五島列島は遣唐使の最終寄港地の一つであり、朝鮮半島との交流も深い場所です。

さらにキリシタンの歴史も色濃く残っています。それぞれの歴史について資料を交えながら学ぶことができます。ここに2〜3時間いてしまったせいで、その後の観光ルートを練り直すことになります。

海に囲まれた離島というより、東アジアの海上交通の要衝だったのだと実感しました。

昼食は「石松」へ。

石松の外観
石松の外観

注文したのは石松定食(2,300円)茶碗蒸し、刺身、天ぷら、寿司、五島うどんまで付いてきます。地元のものを一通り食べられる欲張りセットです。

石松定食
石松定食
石松定食についてくる茶碗蒸し
石松定食についてくる茶碗蒸し

味も良く、満足度はかなり高め。

春休みということもあり、店内には家族経営らしい穏やかな空気が流れていました。小さな子どもが、お手伝いをしたり塗り絵をしたり、飽きたらまたお手伝いに戻ったりを繰り返しています。

観光地の食事というより、親戚の家に来たような温かさがありました。

午後は六角井戸明人堂福江武家屋敷通りなどを散策。港周辺の観光地はコンパクトにまとまっており、徒歩で十分回れます

六角井戸は16世紀に使われていた井戸です。

六角井戸
六角井戸

数百年前の人々が、ここで水を汲んでいたのかと思うと不思議な気分になります。

そして最も印象的だった明人堂
16世紀、東シナ海で活躍した明の貿易商人・王直に関係する建物です。

王直は貿易のため五島を訪れ、中国商人たちの居住地も形成されました。明人堂は航海の安全を祈るための廟です。

明人堂
明人堂

王直に関しては歴史資料館で学び、その展示などが興味深かったです。

もともとは商人。
しかし明が民間の海外貿易を厳しく制限したため、密貿易へと移行します。

さらに武装した交易船団を持つようになり、実質的には海賊のお頭的な存在になっていきました。後期倭寇と言われるものです。

どの時代でも、かなりアウト寄りです。

ところが資料館では、意外と淡々と紹介されています。「東シナ海で活躍した貿易商人」というニュアンスが強く、あまり悪人扱いされていません。

歴史は立場によって見え方が変わるのだなと感じました。もし当時の明の役人が展示を作っていたら、だいぶ違う説明になっていた気がします。

本来なら別の島へ行く予定だった一日。

しかし結果的には、五島列島の歴史をじっくり知ることができました。

離島旅は予定通りにいかないことも多いですが、予定外の一日が意外と印象に残るものです。少なくとも私は、この日がなければ王直の名前を一生覚えなかったと思います。そして今後、東シナ海の歴史の話題になるたびに「実質海賊だった人」として思い出すのでしょう。

隠れキリシタンについても興味深かったので、次回はそちらまとめてみます。

次回はお勉強会、キリシタンについてです。お楽しみに。

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